日本円相場の急落が進む中、日本政府や日銀が介入を検討する中で、市場は注目を集めています。26日の外国為替市場では、日銀の金融政策維持が円安の引き金となりました。その結果、年初から約4カ月で15円もの下落幅を記録しました。
市場では、介入による歯止めがかけられるかどうかが焦点となっています。過去に鈴木俊一財務相は介入を辞さない姿勢を示しており、日米韓の財務相会合でも円安懸念が共有されるなど、介入への期待感も高まっていました。しかし、イエレン米財務長官の発言や米国でのドル高への関心の低さなど、介入の実現性には疑問符がつきます。
また、市場関係者の一部は、経済指標の流れと整合しない介入が成功しない可能性を指摘しています。さらに、第一生命経済研究所の藤代宏一主席エコノミストは、ドル高の風が強く吹く中で介入が押し返される可能性を指摘し、円安への転換が容易ではないと述べています。
現在の状況からは、日本円急落の流れが一旦止まることなく、介入の効果が限定的である可能性が示唆されています。市場は、米連邦公開市場委員会（FOMC）後の利下げの影響や、次の節目の1ドル＝160円への動きに注目しています。
