米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、インフレが当局目標に進む確信が得られるまで、金利を現行水準に「長期間」維持する方針を明らかにしました。彼は最近のインフレデータが、物価上昇率を当局の2%目標に完全に回帰させる上で金融政策が十分抑制的か疑問を提起していると述べました。
カシュカリ氏は、現行政策を長期にわたって続けることが最も可能性の高いシナリオであり、インフレが再び下がるか、労働市場が軟化する場合は金利を引き下げるかもしれないと語りました。一方で、インフレが3%で定着し、金利引き上げの必要性が確信された場合は、必要に応じて行うとも指摘しました。
彼はまた、論文で景気を抑制も刺激もしない中立金利が短期的に上昇している可能性を指摘し、住宅インフレの根強さがインフレ抑制に向けて更なる努力が必要であることを示唆しました。また、労働市場の底堅さが裏付けられているが、インフレは横ばいで推移しており、政策の実際の抑制力に疑問を呈したと述べました。
カシュカリ氏は自身の長期的な中立金利見通しを従来の2%から2.5%に引き上げ、中立金利の水準が政策設定に影響を与えることを強調しました。ただし、中立金利の水準が不透明であることが、政策当局者にとって課題をもたらしているとも指摘しました。
米ミネアポリス連銀の総裁のこの発言は、市場にとって今後の金利政策やインフレ動向に関する重要な示唆となります。