最近の金融市場は、特に為替市場(ドル円相場)の動向が注目されています。政府・日銀が4月29日に続いて、5月2日未明にも円買いドル売り介入を行ったことが明らかになりました。この介入は、1ドル=160円を防衛ラインとして、為替相場の急激な動きを抑制するためのものであると解釈されています。
この局面で、過去34年ぶりとなる「円安水準」として注目されるのは、1990年4月の1ドル=160円20銭の水準です。この水準は、85年のプラザ合意でのドル高政策からドル安政策への転換によるものであり、日本経済に大きな影響を与えました。今回の介入を契機に、大幅な「円高ドル安」の動きが予想されています。
このような為替市場の変動により、株式市場でも影響が及ぶ可能性があります。特に輸出型企業は業績の不透明感が高まるでしょう。しかし、円高メリットを享受する企業も存在します。その中でも、水産最大手の「マルハニチロ(1333)」や製粉最大手の「日清製粉グループ本社(2002)」、そして靴小売り大手の「ABCマート(2670)」などが注目されています。
特に、これらの企業は円高の影響を比較的受けにくい傾向があります。投資家は、これらの企業の動向に注目しながら、市場の変動に対処していく必要があります。