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米株式市場、ダウ初の4万ドル到達後反落 – 今後の利下げに期待

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16日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が一時的に史上初の4万ドルを突破しました。これは、今後見込まれる利下げが米企業の業績拡大を続けさせるとの期待感によるものです。しかし、最終的には主要3指数がいずれも反落で取引を終えました。

株式終値と前営業日比変化率

S&P500種株価指数: 5297.10 (-11.05, -0.21%)
ダウ工業株30種平均: 39869.38 (-38.62, -0.10%)
ナスダック総合指数: 16698.32 (-44.07, -0.26%)

ダウ平均の上昇基調

ダウ平均は、底堅い経済、インフレ鈍化、堅調な企業業績といった見通しを背景に上昇基調をたどってきました。同指数が3万ドルを突破したのは、2020年11月でした。

インディペンデント・アドバイザー・アライアンス(IAA)のクリス・ザッカレリ最高投資責任者(CIO)は、「4万ドルの壁突破は、強気派にとって心理面の大きな押し上げ材料だ。切りの良い数字は特別な意味を持つからだ」と指摘。その上で「相場は現在『割高な領域』に向かっているため、株式投資をより選択的に行い、ドルコスト平均法(一定額を定期的に投資する手法)を採ることが賢明だ」と述べました。

個別銘柄の動向

S&P500種株価指数終値で5300を下回りました。個別銘柄では通期予想をやや上方修正したウォルマートが大幅高。一方で、ミーム銘柄のゲームストップとAMCエンターテインメント・ホールディングスは大幅続落となりました。

カーソン・グループのライアン・デトリック氏は「4万ドルは大きな節目だが、結局のところ3万9999ドルと4万ドルの間に大きな差はない」と指摘。「それでも、ここまできたのかと思わせるものがある。昨年は年間を通じて、どれだけ多くの人がリセッション(景気後退)や弱気相場について話していたか。それが今や、再び高値更新という状況になっている」と述べました。

米国債金利動向

米国債相場は下落し(利回り上昇)、年限が短めの国債の利回りが特に上昇しました。原油高を受け、利回りに一段と上昇圧力がかかりました。

米30年債利回り: 4.51% (+1.3bp, +0.29%)
米10年債利回り: 4.38% (+3.5bp, +0.81%)
米2年債利回り: 4.79% (+6.9bp, +1.47%)

地区連銀総裁の発言

複数の地区連銀総裁がこの日、公の場で発言。リッチモンド連銀のバーキン総裁は、サービス部門の物価が高水準だとして、インフレ率を目標の2%に引き下げるには高金利を維持する必要があるとの考えを示しました。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、最新の米インフレデータは物価上昇圧力が徐々に和らいでいることを裏付けているが、金利を調整するにはさらなる証拠が必要だと主張しました。

為替市場とドル動向

ニューヨーク外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル・スポット指数が小反発。米国債利回り上昇を受けてドル買いが入りました。前日は1カ月ぶりの安値に沈んでいました。

ブルームバーグ・ドル指数: 1245.42 (+1.03, +0.08%)
ドル/円: ¥155.40 (+¥0.52, +0.34%)
ユーロ/ドル: $1.0867 (-$0.0017, -0.16%)

経済指標と原油・金相場

この日発表された米経済指標では、先週の新規失業保険申請件数が前週比1万件減少。4月の住宅着工統計は建設許可件数が2カ月連続で減少しました。また、4月の輸入物価指数は約2年ぶりの大幅上昇を記録しました。

ニューヨーク原油先物相場は続伸。ただし比較的狭いレンジでの推移となりました。米原油在庫減少と米国のインフレ見通しが意識されました。

WTI先物6月限: $79.23(前日比+60セント, +0.8%)
北海ブレント7月限: $83.27(前日比+0.6%)
金相場は反落。前日発表の米CPI統計を受けて低下していた米国債利回りが反発し、利息を生まない金の投資妙味が相対的に下がりました。ドルの反発も金には弱材料となりました。

金スポット価格: $2381.68(前日比-4.31ドル, -0.2%)
金先物6月限: $2385.50(前日比-9.4ドル, -0.4%)
まとめ

16日の米株式市場は、ダウ工業株30種平均が一時4万ドルを突破するなど、大きな動きを見せましたが、最終的には主要3指数が反落して終えました。今後の利下げへの期待感が強まる中、経済指標や企業業績、原油や金相場など、多方面での動向に注目が集まります。