2024年5月28日、ニューヨーク市場において、半導体大手のエヌビディアの株価が約7%上昇し、時価総額は2兆8750億ドルに達しました。これにより、時価総額2兆9160億ドルのアップルに迫り、米国株の時価総額ランキング上位銘柄に再び変動の兆しが見えてきました。
エヌビディアの急成長とAIブーム
エヌビディアは、人工知能(AI)ブームの波に乗り、市場予想を上回る第2四半期売上高見通しと株式分割を発表したことにより、株価が急上昇しています。エヌビディアの株価はこの日一時8%上昇し、取引時間中の最高値を更新しました。過去1週間で約13%の上昇を見せており、その成長軌道は市場の注目を集めています。
ハーグリーブス・ランズダウンの株式分析責任者デレン・ネーサン氏は、「エヌビディアの上向き続ける成長軌道に市場はついていくのがやっとの状態だ」と述べ、現在の株価収益率(PER)が36倍であることを指摘しました。同業のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は38倍、インテルは21倍と比較されています。
アップルの苦境と競争
一方、アップルはiPhoneの需要低迷や中国での激しい競争に直面し、ここ数カ月は他のIT大手に対してアンダーパフォームしています。年初来で2%の下落を記録し、かつての勢いは見られません。また、生成AIの導入でも他社に遅れを取っており、クラウドサービス向けAI開発に早くから投資してきたマイクロソフトが、アップルを抜いて米国株の時価総額ランキングで首位に躍り出ています。
投資家の見解と今後の展望
AJベルの投資アナリスト、ダン・コーツワース氏はエヌビディアについて「事業は信じられないほど順調で、成長を続けるための機会は非常に多い」と述べ、AIが引き続き重要なテーマであると強調しました。エヌビディアの成長を支える多くの機会と強固な足場が、投資家の期待を集めています。
今後、エヌビディアがアップルを超え、米国株の時価総額ランキングでさらなる上位に躍り出る可能性があります。AIブームの継続と市場の動向が注目される中、エヌビディアの成長がどこまで続くのか、そしてアップルがこの状況をどのように打開するのかが焦点となります。
まとめ
エヌビディアとアップルの動向は、米国株市場の未来を占う重要な指標です。エヌビディアの急成長とAI技術への積極的な投資が市場に与える影響を注視しつつ、アップルの戦略変更や競争力の回復にも目を向けることが重要です。今後も市場の変動に注目し、適切な投資判断を行うための情報を提供していきます。