ウーバー・テクノロジーズは、2024年5月14日に、ドイツ企業デリバリーヒーローが運営するフードデリバリー事業「フードパンダ」の台湾事業を9億5000万ドル(約1490億円)で買収すると発表しました。この買収が実現すれば、半導体分野を除く台湾での事業買収としては過去最大級のものとなります。
台湾フードデリバリー市場の変革
市場シェアと規制当局の承認
ウーバーとデリバリーヒーローは、台湾のフードデリバリー市場で2大勢力を誇ります。この買収が完了するためには、2025年初頭までに台湾の規制当局からの承認が必要です。台湾の公正取引委員会副委員長である陳志民氏は、買収の認可は競争を妨げたり排除するために地位を乱用しないことが条件であると述べています。
独占に関する懸念
現地メディアは、両社の台湾市場におけるシェアが合計で80%に達するため、独占に関する懸念が高まると報じています。これに対し、規制当局は市場競争を維持するための慎重な審査を行うとしています。
ウーバーイーツの戦略的投資
ウーバーは、この買収を通じて台湾市場で強力なポジションを確保し、アジア全体での事業拡大を目指しています。ブルームバーグは、今回の買収がウーバーイーツにとって大きな投資となると報じています。
デリバリーヒーローのアジア市場
デリバリーヒーローにとって、アジア市場は最大の市場であり、2023年には40億ドル(約6258億円)の収益を上げ、同社の総収入の36%を占めていました。フードパンダは、デリバリーサービスに集中するため、台湾で5年間運営していたバーチャルスーパー「パンダマート」を閉鎖すると発表しています。
まとめ
・買収金額: 9億5000万ドル(約1490億円)
・買収対象: フードパンダの台湾事業
・市場シェア: 合計80%(ウーバーとデリバリーヒーロー)
・規制当局の承認: 2025年初頭までに必要
・デリバリーヒーローの収益: アジア市場で2023年に40億ドル
今回の買収は、ウーバーとデリバリーヒーロー双方にとって重要な戦略的動きとなり、台湾及びアジア全体のフードデリバリー市場に大きな影響を与えることが期待されています。
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