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「令和のミスター円」神田真人財務官、大規模介入で円安に歯止め

2024年4月29日、東京外国為替市場で円相場は一時1ドル=160円24銭と1990年以来34年ぶりの円安水準に達しました。しかし、政府・日銀の大規模な「覆面介入」により、円相場は大幅に押し戻されました。この介入を指揮したのが、「令和のミスター円」と呼ばれる神田真人財務官です。

円相場の変動と大規模介入

4月29日、円相場は160円24銭と急激な円安が進行しましたが、政府・日銀が行った計8兆円規模の円買い・ドル売り介入により、円相場は一時151円台前半まで急騰しました。この介入は、日本がゴールデンウィーク中の薄商いの中で行われたもので、市場に強いインパクトを与えました。

神田氏は「過度な変動がある場合やファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から乖離するような場合には適切な行動を取る」と述べており、介入の有無についてはコメントを避けています。しかし、市場では介入が行われたと広く受け止められています。

神田氏の戦略と市場への影響

神田氏の戦略は、投機筋に対して強いメッセージを送り、円安の進行を阻止することにありました。彼は「1ドル=160円を超える円安を容認しない」との強いメッセージを市場に送りつつ、介入の有無を明らかにせず、投機筋に「いつ再度介入があるかわからない」との疑心暗鬼を広げる戦略をとっています。

彼の強気な姿勢は、過去の経験に基づくもので、2003年に財務官に就任した溝口善兵衛氏の下で円売り・ドル買いを繰り返した経験から培われたものです。当時、神田氏は「一撃必殺の大規模介入でなければ、相場の流れを止められない」と実感し、その考え方を現在の戦略に生かしています。

今後の見通しと市場の反応

神田氏の介入により、円安進行に一時的なブレーキがかかりましたが、根本的な問題である日米金利差は依然として解消されていません。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、高水準の政策金利を維持する姿勢を示しており、日銀の植田和男総裁も円安が基調的な物価上昇率に大きな影響を与えていないと述べています。

市場では、円安の圧力が続くとの見方が強く、神田氏が次にどのような対策を講じるかが注目されています。追加利上げや他の金融政策の変更が検討される中で、円相場の行方は依然として不透明です。

 

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