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イエレン米財務長官の発言:為替介入の効果と政策の重要性

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2024年5月13日、イエレン米財務長官は各国による為替介入に関して、「根本的な政策の変化がなければ必ずしもうまく機能するとは限らない」と述べました。これは急激な円安・ドル高を食い止めるために日本政府と日本銀行(以下、日銀)が4月と5月に実施したとされる円買い・ドル売り介入について言及したものです。

為替介入の効果と限界

イエレン長官は、中央銀行の政策変更や経済の基礎的な条件が変わらない限り、為替介入の効果は限定的であると指摘しました。具体的には、経済の根本的な政策が変わらなければ、一時的な介入は持続的な効果をもたらさない可能性が高いという見解です。

米連邦準備制度理事会FRB)と日米金利

イエレン長官はまた、「各国の金融政策の違いも為替相場に影響を与える要因だ」と述べました。特に円安の背景には、米連邦準備制度理事会FRB)が早期の利下げ観測を後退させたことにより、日米の金利差が縮小しなくなっていることが挙げられます。

市場原則と為替介入

イエレン長官は「為替相場は市場で決定されるべきだ」という基本原則を強調しました。過度な相場変動があった場合には介入も可能であるとしつつ、そのような介入は「極めてまれであるべき」であり、貿易相手国に伝達する必要があると述べました。これは為替介入が市場に及ぼす影響を最小限に抑え、透明性を確保するための姿勢を示しています。

日本の為替介入

日本政府と日銀は4月29日と5月2日に計8兆円規模の円買い・ドル売り介入を実施したと見られています。これについて、イエレン長官は介入の実施の有無については言及しませんでしたが、その効果については疑問を呈しています。

まとめ

イエレン米財務長官の発言は、為替介入の効果に対する慎重な姿勢と、市場原則を重視する姿勢を示しています。政策変更や経済の基礎条件が変わらなければ、一時的な介入は持続的な効果をもたらすことが難しいという見解は、今後の為替市場における介入の在り方について重要な指針となるでしょう。